# タイヤの点検・メンテナンス方法

タイヤ交換後の増し締め

ナットのゆるみを確認

チェック項目

“増し締め”はなぜ必要?

  • タイヤ交換を行っている自動車整備工場やタイヤ販売店などでは、タイヤ交換後50-100kmを目途に走行したクルマにホイールナットの増し締めサービスを実施しています。
  • タイヤ交換時に締め付けトルクが適切でなかったり、初期走行の環境変化等の理由により、走行距離がのびると、まれにナットが緩んでしまうことがあります。
  • ナットがゆるんでしまうと、最悪の場合、走行中にホイールが外れてしまうこともあります。

サマータイヤ、ウィンタータイヤ(スタッドレスタイヤ)の履き替え時期など、新しいタイヤに交換した時は、交換後50-100kmを目安に走行してからホイールナットの増し締めをしましょう。

では、なぜ増し締めが必要なのでしょうか?それは安全上の問題です。ナットは、ホイールを車体にしっかりと固定するためのクルマに不可欠な部品です。しかし、適切なトルクで締め付けられていなければ、求められる性能を発揮できません。

An experienced mechanic with orange gloves is putting screws on a placed wheel on a car.

ホイールナットのゆるみをチェック

トルクとは、どのくらいの力でナットを締め付けているかを表す単位です。最初にホイールを取り付ける際、それぞれのナットがカーメーカーの規定値通りに締め付けられているかどうか、整備士が確認します。それでも、後でもう一度チェックする必要があります。

日常的にクルマを使う間、ナットには特有の負荷や力がかかり続けるからです。

Graphics about retorquing screws of your tire after 50 km driving after tire change.

この特有の負荷というのは、車体の重さ、走行による回転の影響、温まったり冷えたりの温度の影響、路面の段差による衝撃などです。そのため、ナットの座面がわずかにずれ、締まりがきつくなったりゆるくなったりすることがあるのです。

また、ナットのネジ部、ナットとホイールとの間に、ゴミや砂、サビなどがあると、取り付け時に「偽のトルク」が発生し、適正に締まらないことがあります。

そのため、多くの整備工場やタイヤ販売店は、ホイールを増し締めするために来店するようにお客様に呼びかけています。ホイールの各ナットの締まりすぎやゆるみを点検するもので、通常は無料の簡単なサービスです。

ナットを締め付けすぎると、ネジ山がつぶれたりホイールスタッドが伸びてしまったりして、重大な問題が生じる可能性があります。ブレーキドラムやローター、ハブが歪むこともあります。また反対にナットがゆるんでいると、走行中にホイールが外れる可能性が出てきます。そのような事態が起こる可能性は非常に低いとはいえ、もしそうなってしまったら、ドライバーや他の道路利用者が大きな危険にさらされることになります。

増し締めのタイミング

新しいホイールに買い替えた後やタイヤ交換後などにホイールを取り付ける際には、作業責任者はカーメーカーの指定する規定トルクに従ってナットを締める必要があります。詳細はオーナーズマニュアル等に記載されています。

タイヤ交換後50-100kmを目安に走行後、ナットを点検し、必要であれば締め直します。

どのクルマでも同じトルクで締めて良いわけではありません。車種ごとに規定トルク値は異なります。

正しいナットの締め方

ナットを正しく締めたりゆるめたりするために、トルクレンチという専用の工具が必要です。

整備士はまず、規定トルクの半分の値でトルクレンチを設定して各ナットを締めます。その後で、規定トルク値に再度調整し、正しいトルク値まで締めます。

ホイールナットは、正しいトルクで締め付けるために、決まった順序で締め付けます。ナットが5~10個あるホイールの場合、星を描くように締めていくのが正しい順番です。ナットが4本しかついていないホイールでは、十字型に対角線順に締めていきます。

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