# タイヤの点検とメンテナンス方法

タイヤの寿命

タイヤの寿命に与える影響

さまざまな要因がタイヤの長期的な性能に影響を与えます。タイヤを長く良い状態で使うためには、いくつかのポイントがあります。

tire on the road

タイヤの寿命に与える要因(低〜中レベル)

低~中レベルでタイヤの寿命に影響する要因は2つあります。「タイヤの幅」と「空気圧過多」です。

タイヤの幅:タイヤ幅が広いタイヤは、狭いタイヤと比べて路面との接地面積が大きくなります。その分空気圧が分散されるので、接地圧が低くなり、摩耗を抑えられてタイヤの寿命は長くなります。その一方で、タイヤ幅の広いタイヤは運動性能も向上するため、スポーティな走りやアグレッシブな走りをすると、タイヤ寿命に影響します。

そのため、無理なコーナーリング、急加速・急減速を避けるようにすれば、摩擦による負担が減り、タイヤを長く使うことができます。

Two tire profiles with correct and wrong tire pressure together with two gauges are shown.

空気圧過多:クルマの荷重に対して空気圧が高すぎると、タイヤ接地面の中心付近の接地圧が高くなり、ショルダー部に比べ中心部が早く摩耗する「センター摩耗」が進んでしまいます。

月に1回はタイヤの空気圧を点検し、カーメーカーが指定する車両指定空気圧に従いましょう。

タイヤの寿命に与える要因(中レベル)

Three cars each with four tires and arrows explain the relationship between tires on front and rear axles.

タイヤの寿命に影響を与える中レベルの要因はいくつもあります。これらの影響を軽減するための予防的メンテナンスをいくつかご紹介します。

駆動輪:駆動輪と従動輪では、駆動輪タイヤの摩耗が大きくなります。後輪駆動車(FR車)では、フロントタイヤとリアタイヤの摩耗が比較的バランスよく進む傾向にあります。前輪駆動車(FF車)では、フロントタイヤが操舵と駆動の両方を担うため、フロントタイヤの摩耗が進みがちです。

このように装着場所によって摩耗の仕方、進み方が違うタイヤを長持ちさせる最善の方法は、定期的なタイヤの位置交換(タイヤローテーション)です。サマータイヤからウィンタータイヤ(スタッドレスタイヤ)に交換するときなど、年間を通して定期的に実施しましょう。

  • 後輪駆動車(FR車)や四輪駆動車(4WD車)では、回転方向の指定がないタイヤであれば、リアのタイヤを同じ側のフロントに移し、フロントのタイヤを左右反対側のリアに移します。
  • 前輪駆動車(FF車)では、回転方向の指定がないタイヤであれば、フロントのタイヤを同じ側のリアに移し、リアのタイヤを左右反対側のフロントに移します。
  • 前輪駆動車(FF車)では、すべてのタイヤを斜めに移す「Xパターン」の方法でもローテーションできます。

ただし、回転方向の指定があるタイヤのローテーションには制約があります。左右同じ側でフロントタイヤとリアタイヤを交換してください(左右を入れ替えることはできません)。

路面の状態:普通にクルマを運転している限りでは、路面の影響は比較的小さいと言えます。しかし、整備されていない道路やオフロード、摩耗しやすい路面での積極的な運転は、タイヤの寿命を著しく縮めてしまうことがあります。

そこで、整備されていない道路やオフロードは極力走らないことをおすすめしますが、そのような路面を走ることが多いようであれば、オールテレーンタイヤを装着することをおすすめします。

外気温:サマータイヤとウィンタータイヤ(スタッドレスタイヤ)では、性能が最大限に発揮される外気温が違います。適した外気温下で正しく使用されていないタイヤは、早く摩耗してしまいます。(コンチネンタルタイヤでは、気温7℃をタイヤ交換の目安として推奨しています。)

つまり重要なことは、季節に合ったタイヤを装着するということです。それは、単にタイヤを長持ちさせるだけでなく、一年を通してクルマの性能と安全性を維持することにつながります。

タイヤの寿命に影響する要因(高レベル)

タイヤの寿命に、高レベルで影響を与える要因は「ドライバー個人の運転方法」です。

A flat tire on a road.

トレッドコンパウンド:タイヤのウェットグリップ性能、耐摩耗性能、転がり抵抗のいずれかを強化すれば他方が弱化する相反する性能です(ただし、最近のプレミアムタイヤには、高度なシリカトレッドコンパウンドが使用されており、耐摩耗性能とウェットグリップ性能が両立されています)。

新しいタイヤを買うときは、あらかじめそのタイヤのコンパウンドの特性を調べておくことが役に立ちます。コンパウンドの特性を知っていれば、タイヤが思ったよりも早く摩耗の兆候を示したとしても、驚くことはありません。

ドライビングスタイル:高速でスポーティな走行は、一般的な運転よりタイヤの寿命が短くなる傾向にあります。急な加速やブレーキング、高速でのコーナリングは、タイヤの摩耗を著しく早める原因となります。

少しスピードを落として運転したり、アクセルを優しく踏むことで、タイヤの寿命を延ばすことができます。

空気圧不足と積載過多:タイヤの空気圧が不足している場合や荷物を多く積み過ぎている場合、両肩(ショルダー部)が早く摩耗する「両肩べり摩耗」になることがあります。

大きな買い物や休暇を利用した旅行など、どうしてもクルマにたくさんの荷物を積まないといけない場合があります。それ以外の時は、クルマのトランクには必要以上のものを入れておかないようにしましょう。また、常に荷物を減らすようにし、通常の運転とフル積載時の運転では、必要に応じてタイヤの空気圧を調整しましょう。カーメーカーが指定する車両指定空気圧を維持することは、クルマの燃費を向上させます。

サスペンションジオメトリー:ステアリングとサスペンション間のジオメトリーの調整不良は、タイヤの寿命に大きな影響を与えます。これは、タイヤの両肩(ショルダー部)が不規則に摩耗してしまう原因になります。


ステアリングやサスペンションに問題があると感じたり、道路のくぼみや縁石にぶつかった後などの予期しないダメージを受けた場合は、お近くの整備工場で点検を受けることをおすすめします。

エンジンパワー:ハイパワーで高速で走るクルマは、それだけタイヤ寿命も短くなる傾向にありますが、ドライバーがクルマの能力をどのように引き出すかによって変わってきます。

ハイパワーのスポーツカーには、超高性能車の性能に合わせて特別に設計されたUHP(ウルトラ・ハイ・パフォーマンス)タイヤをおすすめします。

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